所沢市は、「音楽のあるまちづくり」を推進していることをご存知ですか?
所沢市民文化センター ミューズのパイプオルガンを拠点に、プロのコンサートから市民による「第九」合唱、まちなかコンサートまで、音楽が日常に溶け込んでいる街なんです。
そんな音楽が身近な環境で育つ子どもたちにとって、学期に一度の発表会が間もなく開催されます。
楽器ひとりでは音を出せません。
まるで赤ちゃんのように、私たちの手や息、想いが加わって初めて、美しい音色を響かせてくれるんです。
子どもたちが初めて楽器に触れる時、私たちはまず「赤ちゃんみたいに優しく触れてあげようね」と伝えます。
乱暴に扱えば、楽器は痛い音を出してしまうかもしれないよ。
そっと触れて、どんな音がするのかな?
どんな声を出したいのかな?と、
楽器の気持ちにそっと耳を傾けるように促します。
キラキラ光るすずくんは「僕を揺らして、鈴の音でみんなを笑顔にしたいな!」と思っているかもしれないよ。
大きな太鼓くんは「お腹を優しく叩いて、力強いリズムを響かせたいんだ!」と願っているかも。
子どもたちは、そんな楽器たちの心の声に耳を澄ませるように、そっと触れてみます。
「どんな音が鳴らしたい?」
「今、どんな気持ち?」
そう問いかけると、子どもたちは楽器と心が通じ合ったように、想像力を膨らませて音を奏で始めます。
それは、技術的に正しい音符を弾くことよりも、ずっと大切なこと。
楽器と対話し、自分自身の気持ちを音に乗せて表現する喜びを知る瞬間です。
この「赤ちゃんのように優しく接する」という体験は、子どもたちにとって、ただ楽器を演奏する以上の意味を持ちます。
他者を思いやる心、感受性、そして非言語的なコミュニケーション能力を育む大切な学びなど。
楽器の「声」に耳を傾けることで、子どもたちは目に見えないもの、言葉にならないものを感じ取る力が養われます。
「どんな音が鳴らしたいか」という自分の内なる声と向き合うこと。それが、子どもたちの豊かな心を育み、未来へとつながる大切な第一歩となるのです。
いつもありがとうございます。